「iOS 9」のマルチタスキング機能をフルに使えるパワフルな小型タブレット

「iPad mini 4」は隠れた実力派モデル! 64GBモデルが5万円台なのも魅力

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アップルは2015年9月9日に、「iPhone 6s/6s Plus」や「iPad Pro」、「Apple TV」など、数多くの新製品を発表したが、その中で一番注目されていなかったのが「iPad mini 4」だ。発表会でもほとんど触れられなかったが、実は見逃せないほどの進化を果たしている。本体は薄く、軽くなり、「iOS 9」の新機能をフルに利用できるほど、パフォーマンスもアップしている。Wi-Fiモデル(16GB)の価格.com最安価格は45,991円(2015年9月29日時点)。iOSを搭載した端末としては、旧型モデルを除き、「iPod touch」の次に安く購入できるお得なモデルでもある。筆者は初代の「iPad mini」を自宅で利用しているので、初代モデルとの比較を交えながら、iPad mini 4の実力をチェックしていきたい。

iPad mini 4 Wi-Fiモデル 16GBの価格.com最安価格は45,991円(2015年9月29日時点)

iPad mini 4 Wi-Fiモデル 16GBの価格.com最安価格は45,991円(2015年9月29日時点)

さらに薄く軽くなった「iPad mini 4」! ディスプレイは表示品質がアップ

筆者は2012年に発売された初代iPad miniを自宅で利用している。主に家族が音楽の再生、インターネットや写真のチェックに使っているが、ときどきメモ用の端末として別売りのワイヤレスキーボードといっしょに持ち歩いたりもしている。iPadも所有しているが、もっぱら家ではiPad miniを使う機会が多い。コンパクトなiPad miniは、家の中でも外でも使いやすく、手の小さな女性でも使いやすい、まさに万能なモデルと言える。

初代iPad miniは、iPadをコンパクトにしたモデルとして2012年に登場した。初代モデルは1024×768の7.9型ディスプレイを搭載していたが、翌年には2048×1536の高解像度な「Retinaディスプレイ」を採用した「iPad mini 2(Retinaディスプレイモデル)」が登場。第3世代の「iPad mini 3」では、ホームボタンに「Touch ID」が搭載され、指紋でロック解除などができるようになった。

Retinaディスプレイの採用、Touch IDの搭載など、これまで着実に進化してきたiPad miniシリーズ。今回のiPad mini 4には目立った機能追加こそないものの、軽量化と薄型化が図られ、パフォーマンスもアップしている。Wi-Fiモデルの重量は298.8gと、シリーズとして初めて300gを切った。厚さは6.1mmで、iPad mini 3より1.4mmほど薄くなっている。純粋に携帯性がアップしたのはうれしいところだ。

ディスプレイは7.9型のRetinaディスプレイ。サイズと解像度はiPad mini 3と同じだが、「iPad Air 2」と同じ、「フルラミネーションディスプレイ」(ガラス、タッチセンサー、液晶の隙間をなくした、いわゆるダイレクトボンディング)に変更されたことで、より黒が引き締まって見えるようになった。屋外で使う機会の多いiPad miniにとっては、反射防止コーティングが施されたのも大きい。

iPad miniは、男性なら片手でつかめるほどコンパクトなのが特徴だ。最新モデルのiPad mini 4では、さらに軽量化と薄型化が図られた

今回試したWi-Fi+Cellularモデル(128GB)の重量は304g

今回試したWi-Fi+Cellularモデル(128GB)の重量は304g

上がiPad mini 4、下が初代iPad mini。本体右側面にあった消音および画面の向きをロックするボタンがなくなり、画面を下から上にスワイプすると表示される「コントロールセンター」で設定をする仕様となった

本体下部のスピーカーの穴が2列から1列に変更されている

本体下部のスピーカーの穴が2列から1列に変更されている

CPUのパフォーマンスは初代モデルから最大5.2倍にアップ

iPad mini 4は、いろいろな部分のスピードもアップしている。まず、プロセッサーは、「iPhone 6/6 Plus」と同じ「A8チップ」と「M8モーションコプロセッサ」の組み合わせで、アップルによると、iPad mini 3よりCPUは30%、グラフィックス性能は60%アップしているという。また、初代iPad miniと比べるとCPUが最大5.2倍、グラフィックス性能が12.8倍もアップしているという。ベンチマークアプリ「GeekBench 3」で確認したところ、プロセッサーの動作周波数は1.50GHz、メモリーは1.94GBだった。初代iPad miniと使い比べてみると、体感でもその差はハッキリとわかる。もちろん、長く使い込んだモデルと新品という差はあるが、それを差し引いても、iPad mini 4は快適だ。バッテリー駆動時間は最大10時間で、歴代のiPad miniと変わっていない。

Touch IDのスピードもアップしている。iPhone 6 PlusのTouch IDと比べると、ロック解除にかかる時間が短縮されているのを体感できる。iPhone 6 Plusでも遅いと感じることはなかったが、iPad mini 4のTouch IDのスピードを体験すると、遅く感じてしまうほどだ。

iPad mini 4のカメラ機能はiPad mini 3から強化されており、120万画素の「FaceTime HDカメラ」(前面カメラ)と800万画素の「iSightカメラ」(背面カメラ)を搭載する。静止画にはバーストモード、動画にはスローモーション(120fps)が追加されている。500万画素のiPad miniと撮り比べたところ、解像感はもiPad mini 4のほうが断然上だった。解像度が違うので当たり前の結果だが、想像していた以上にハッキリと差が出た。なお、色味や明るさには大きな差は見られなかった。スマートフォンと比べて、タブレットで写真を撮影する機会は少ないが、高画質にこしたことはないので、カメラ機能の強化は歓迎したい。

左がiPad mini 4、右が初代iPad mini。色味に違いはない印象だ

左がiPad mini 4、右が初代iPad mini。色味に違いはない印象だ

左がiPad mini 4、右が初代iPad mini。画素数がアップしたので、ズーム表示したときの解像感はiPad mini 4のほうが高い

「iOS 9」のマルチタスキング機能を試す

初代iPad miniを使っていて、少し動作が遅いと感じることはあるが、ストレスを感じるほど困ってはいない。パフォーマンスが求められるゲームなどは主にiPhoneで遊ぶので、正直、歴代のiPad miniのパフォーマンスのアップはそれほど魅力を感じていなかった。しかし、iPad mini 4のパフォーマンスアップには大きな意味がある。iOS 9のマルチタスキング機能をフルに使えるのは歴代iPad miniシリーズの中ではiPad mini 4だけなのだ。iOS 9のマルチタスキング機能は、「Slide Over」「Split View」「ピクチャ・イン・ピクチャ」の3つだ。

アプリの切り換えは、iOS 8以前では、ホーム画面に戻るか、ホームボタンをすばやく2回押して、マルチタスクを表示して、別のアプリを開かなければならなかった。Slide Overでは、使用中のアプリから離れることなく、2つ目のアプリを開ける。たとえば、Webブラウザーの「Safari」でWebページをチェックしている最中にメッセージを受信して返信する場合、画面の右端から左にスワイプすると、Slide Overに対応したアプリが表示されるので、その中からメッセージを選んで返信ができる。このとき、先に開いていたSafariはグレーアウトして操作ができなくなるが、メッセージ送信後に左から右にスワイプするとメッセージアプリが閉じてSafariが再びアクティブな状態に戻る。

Slide Overで開いたアプリの表示エリアを広げると、画面を分割して、2つのアプリを同時に開いておけるSplit Viewとなる。どちらのアプリもグレーアウトせず、アクティブな状態で同時に開けるのがポイントだ。Safariを開きながら、メモアプリにメモを撮ったり、写真を表示しながらスケッチを描くといった使い方が想定される。マイクロソフトのOfficeアプリが対応するなど、仕事効率化のアプリの多くがこれらの機能に対応している。対応アプリはApp Storeにまとめられており、2015年9月29日時点では24のアプリが対応していた。

ピクチャ・イン・ピクチャは、動画を小画面で表示し続けられる機能だ。Webサイトに埋め込まれた「YouTube」の動画を視聴する際に、ピクチャ・イン・ピクチャのボタンをタップすると動画が小さい画面で表示される。ビデオ電話アプリ「FaceTime」や「ビデオ」アプリなどでも利用できる。小画面は画面の四隅に配置でき、大きさ2つのサイズから選べる。ただし、肝心の「YouTube」アプリでは今のところ使えないなど、すべての動画で利用できるものではない。

画面の右端から左にスワイプすると使えるSlide Over。右の黒地の部分を上下にスワイプすると、Slide Overで表示するアプリを選べる

Slide Overでメッセージアプリを起動した状態。メール送信後に左から右へスワイプするか画面の左側をタップするとSafariへ戻れる。少しややこしいが、先に表示するアプリに制限はなく、「App Store」でも「設定」でも何でもいいが、Slide Overで2つ目に表示するるアプリには制限がある

Slide Overで開いたアプリの境界線を左へスワイプして表示エリアを広げるとSplit Viewに切り替わり、2つのアプリをアクティブな状態で起動できる。横向きで使った場合、境界線は5:5か7:3の比率の位置で固定されるようだ。注意点は、Split Viewはどちらのアプリも対応していなければならないこと。先に開いたアプリが非対応のアプリの場合は境界線を動かせない

動画を小画面で表示できるピクチャ・イン・ピクチャ

動画を小画面で表示できるピクチャ・イン・ピクチャ

キーボードの上で2本指を動かすと、カーソルを動かせるようになった。2本指をゆっくり動かすと文字の選択ができるので、コピーも簡単にできる

ワイヤレスキーボードと組み合わせて使っている人にとっては、ショートカットバーとキーボードショートカットが便利だ。Commandキーなどを長押しすると、ショートカットバーが表示され、ボールドやイタリックの適用などが素早くできる。キーボードショットカットはアプリの切り換え機能で、ロジクールのワイヤレスキーボードでは、Command+Fn+Tabキーで表示された

まとめ

以上、iPad mini 4をくわしくチェックしてきた。新鮮味には欠けるが、携帯性とパフォーマンスのアップ、iOS 9による強化されたマルチタスキング機能など、トータルで見ると、予想を超える使い勝手のよさだった。発売から3年が経った初代iPad miniのユーザーから見ると、その進化には驚かされるばかりで、「そろそろ買い替えか」と思わせるほどの説得力は十分にあると感じた。第4世代のiPad mini 4は、“iPad miniシリーズの完成形”と言えるほどの出来栄えではないだろうか。一番手ごろに購入できるiPadであることも忘れてはならない。iPad mini 2が併売されているが、iOS 9のマルチタスキング機能やTouch IDなど、機能差が多く、長く快適に使おうと思った場合は、iPad mini 4を選ぶのが正解だろう。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

製品 価格.com最安価格 備考
iPad mini 4 Wi-Fi+Cellular 128GB SIMフリー A8チップや7.9型Retinaディスプレイを搭載した第4世代のiPad mini
iPad mini 4 Wi-Fi+Cellular 64GB SIMフリー A8チップや7.9型Retinaディスプレイを搭載した第4世代のiPad mini
iPad mini 4 Wi-Fi+Cellular 16GB SIMフリー A8チップや7.9型Retinaディスプレイを搭載した第4世代のiPad mini
iPad mini 4 Wi-Fiモデル 128GB A8チップや7.9型Retinaディスプレイを搭載した第4世代のiPad mini
iPad mini 4 Wi-Fiモデル 64GB A8チップや7.9型Retinaディスプレイを搭載した第4世代のiPad mini
iPad mini 4 Wi-Fiモデル 16GB A8チップや7.9型Retinaディスプレイを搭載した第4世代のiPad mini
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2016.8.30 更新
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