ほかのWindowsタブレットよりもワンランク上の完成度

マイクロソフト「Surface 3」レビュー! LTE対応でスマホのように使えるスグレモノ

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日本マイクロソフトは「Windows 8.1」を搭載した新型タブレット「Surface 3」を2015年6月19日に発売した。LTEに対応しており、スマートフォン(スマホ)のようにどこでもインターネットに接続できるのが特徴だ。従来機種の「Surface 2」よりも小型・軽量化が図られており、持ち歩きもしやすくなっている。発売前に実機を試す機会を得たので、その使い勝手をレポートしたい。

Surface 3は10.8型液晶ディスプレイを備えたLTE対応のタブレットだ。キーボード兼カバーの「Surface 3 Type Cover」(別売)を利用すれば、本格的なノートパソコンとしても利用できる。価格.com最安価格は64GBモデルが88,340円、128GBモデルが99,140円(2015年6月19日時点)

「Surface 2」の後継ではなく、「Surface Pro 3」の小型版

Surface 3は10.8型液晶ディスプレイを搭載したタブレットだ。メモリーとストレージの容量の違いで2モデルをラインアップする。もっとも安いモデルは2GBのメモリーと64GBのストレージを搭載し、価格.com最安価格は88,340円(2015年6月19日時点)。今回は4GBのメモリーと128GBのストレージを搭載した上位機種をテストした。こちらの価格.com最安価格は99,140円(同)だ。メモリーとストレージ以外の仕様は共通で、どちらインテルの最新タブレット向けCPU「Atom x7-Z8700」(1.6GHz-最大2.4GHz)を採用する。

従来機種のSurface 2の後継というよりも、12型液晶ディスプレイを備える上位機種「Surface Pro 3」の小型モデルといったほうがいいだろう。OSには機能限定版の「Windows RT」ではなく、Windows 8.1の64ビット版を採用しており、x86/x64用のWindowsデスクトッププリケーションを利用できる。デザインもSurface Pro 3とよく似ている。マグネシウム合金製のボディの質感は高く、競合他社のWindowsタブレットよりデザインも洗練されている。フルサイズのUSB3.0端子やMini Display Portなど、搭載する外部インターフェイスもSurface Pro 3とほぼ同じだ。大きく違うのが充電用の端子で、専用端子からmicroUSB端子に変更されている。

本体サイズは約267(幅)×187(高さ)×8.7(厚さ)mm、重量は約641g。Surfaceシリーズの中ではもっとも軽くて薄い。Surface Pro 3よりも一回り小さく、ビジネスバックにすっきりと収まり、持ち歩きがしやすかった。8型のWindowsタブレットよりも画面が広く、デスクトップで作業しても窮屈に感じることがない絶妙なサイズ感だ。ただし、純粋なタブレットとしてみると、より薄くて軽いモデルもある。アップルの「iPad Air 2 Wi-Fi + Cellularモデル」(画面サイズ:9.7型、重量:444g、厚さ6.1mm)やソニーの「Xperia Z4 Tablet SO-05G」(画面サイズ:10.1型、重量:393g、厚さ6.1mm)などだ。画面サイズやOSの違いはあるが、手で持って電子書籍を読んだり、Webページをチェックしたりするのには、Surface 3は少々重く感じられる。

10.8型液晶ディスプレイの解像度は1920×1280。縦横比は、縦向きでも、横向きでも使いやすい3:2。Surface Pro 3より解像度は低いが、画面サイズが10.8型と小さいので表示は緻密だ。明るさも十分で、屋外でも見やすかった

外装にはマグネシウム合金を使用。Surface 2やSurface Pro 3はSurfaceのロゴだったが、Surface 3ではマイクロソフトのロゴマークに変更されている。印刷ではなく別パーツを使うなど、細かな点までこだわって作られている

フルサイズのUSB3.0端子を搭載。映像出力端子はMini Display Portで、HDMIは搭載しない。microUSB端子は充電用ではあるが、データのやりとりにも利用できる

「キックスタンド」の裏側にmicroSDカードスロットを備える。ストレージ容量の少ない64GBモデルを選んでも、microSDカードを使ってストレージを拡張できるので、ストレージ不足で困ることはないだろう

強めにタイピングしてもたわみにくい「Surface 3 Type Cover」

Surface 3は、キーボード兼カバーの「Surface 3 Type Cover」(別売、直販価格は税込で16,934円)と組み合わせれば、本格的なノートパソコンとしても利用できる。Surface Pro 3のType Coverよりもコンパクトだが、キーピッチは実測で18mm確保されており、タイピングはしやすかった。また、小さくなっている分、強めにタイピングしてもたわむことがなく、入力のしやすさはSurface 3のほうがすぐれていると感じた。重量は265gなので、Surface 3といっしょに利用した場合のトータルの重量は906g。モバイルノートPCとして見た場合は軽い部類に入る。Surface Pro 3のキックスタンドは無段階で調整できるのに対して、Surface 3は3段階で調整できる。無段階のほうが何かと便利だが、3段階でもそれほど困ることはないだろう。

Surface Pro 3と同様、「Surfaceペン」を使った手書き入力も可能だ。250段階以上の筆圧検知や画面の上に手を置いても書ける「パームブロックテクノロジー」など、Surface Pro 3と同じ機能を備える。Surfaceペンは別売りで、直販価格は6,458円(税込)。カラーはシルバー、ブラック、ブルー、レッドの4色を用意する。

キーピッチは実測で18mmだった。Surface Pro 3にはない機能として、Fnキーのロックが可能となっている。Fnキーをロックすると、一番上にあるキーをファンクションキーとして固定できる。ファンクションキーを多用するアプリを利用する場合に助かる。カラーはレッド、シアン、ブラック、ブライトレッド、ブルーの5色を用意する。価格は16,934円(税込、マイクロソフトストアでの価格)

Surfaceシリーズの特徴であるキックスタンドを搭載。Surface Pro 3は無段階で角度を調整できるが、Surface 3では3段階で調整できる。微妙な角度変更はできないが、実利用でストレスを感じることはなく、よく使う3つの角度が選ばれている

Surface Pro 3用のタイプカバーと同様、カバーの端を折り返してキーボードに角度を付けられる。マグネットで固定されるので、膝の上で作業するときなどに安定感が増す

Surface Pro 3よりもコンパクトなので膝の上に置いての作業がしやすい

Surface Pro 3よりもコンパクトなので膝の上に置いての作業がしやすい

Surfaceペンを使って手書き入力が可能。スリープモードになっていても、ボタンを押すとデジタルメモアプリ「OneNote」がすぐに起動し、すばやくメモをとれる。250段階以上の筆圧検知とパームブロックテクノロジーを搭載しており、自然な姿勢で滑らかな文字や線を書ける。Surfaceペンは別売で、価格は6,458円(税込、マイクロソフトストアでの価格)

Surfaceペンは本体に内蔵できないが、クリップをSurface 3 Type Coverにひっかけていっしょに持ち歩ける

Surfaceペンは本体に内蔵できないが、クリップをSurface 3 Type Coverにひっかけていっしょに持ち歩ける

LTEに対応しており、どこでもインターネットに接続できる

Surface 3の一番の特徴はLTEに対応していることだろう。しかもSIMロックフリーで、MVNO(仮想移動体通信事業者)の格安SIMを利用すれば月々の通信費を抑えて運用できる。回線契約付きのモデルはワイモバイルから発売される。2015年5月19日のSurface 3の発表会で、マイクロソフトとソフトバンクモバイルの両社は、相互運用テストを実施しており、ソフトバンクモバイルのネットワークに最適化されていると説明していた(関連記事)。

Surface 3がサポートする対応バンドは、LTEがバンド1(2.1GHz)/3(1.7GHz)/8(900MHz)、3Gがバンド1(2.1GHz)/8(900MHz)。これはソフトバンクモバイル(ワイモバイル)がサポートするバンドであり、同社のネットワークに最適化されているという根拠だ。NTTドコモ系のMVNOのSIMカードも利用はできるが、NTTドコモが利用するバンド19(800MHz)には対応していないため、同回線の能力を最大限に引き出すことはできないのだ。どれだけ差があるかは実際に試してみないと分からないが、Surface 3のモバイル通信機能を最大限に活用できるのはワイモバイルのネットワークといっていいだろう。

ワイモバイルと契約した場合の機種代金は、64GBモデルが81,800円(税別)、128GBモデルが91,800円(同)。基本使用料はデータ通信量が月間7GBまでの「スマホプランL」(月額6,980円、税別)と月間1GBまでの「スマホプランS」(月額3,980円、税別)の2種類を用意する。どちらも毎月支払うと考えると、かなりの負担だが、Surface 3と同時購入した場合に限り、「タブレット割引」が適用されるので、もう少し安く利用できる。

割引額はスマホプランLが3年間月々3,284円(税別)、38か月目以降は月々2,784円(税別)。スマホプランSは3年間月々3,000円(税別)、38カ月目以降は月々1,500円。スマートフォンと同じように、機種代金を24回に分割して支払うことも可能だ。毎月の支払額の目安は、スマホプランLの場合、24回払いで7,672円(税込)、一括購入で3,991円(税込)。スマホプランSの場合は、24回払いで4,739円(税込)、一括購入で1,058円(税込)だ。

スマホプランSを利用するには、「快適モード」(上限回数6回以上設定)への加入が必須となるので注意したい。また、自動更新の2年単位の契約のため、解約月以外に解約する10,260円(税込)の契約解除料がかかる。
月間1GBのスマホプランSで契約すれば、安く運用はできるが、外出先でおもいきり通信したい人にとっては物足りない容量だ。ヘビーユーザーだと、月間7GBのスマホプランLでも足りないだろう。スマホのテザリングと組み合わせて利用するなど、運用には工夫が必要だ。

通信速度も測定してみた。場所は東京都渋谷区の筆者宅で時間は平日の午前0時。結果は下りが10.80Mbps、上りが4.82Mbpsだった。画像の多いWebページを表示するのには少しだけ待たされたが、実利用には問題のない通信速度だった。

SIMカードの形状はナノSIM。SIMカードスロットは底面の左側にあり、付属のピンを使ってトレイを取り出せる

SIMカードの形状はナノSIM。SIMカードスロットは底面の左側にあり、付属のピンを使ってトレイを取り出せる

本体上部にアンテナを備えており、樹脂製のパーツが使われている

本体上部にアンテナを備えており、樹脂製のパーツが使われている

ネットワークの表示は「SoftBank(LTE)」となっていた

ネットワークの表示は「SoftBank(LTE)」となっていた

平日の午前0時に通信速度を測定した結果。下りは10.80Mbpsだった(通信速度を測定できるアプリ「SPEEDCHECKER」を使用)

競合他社のAtom搭載タブレットと比べて、パフォーマンスはワンランク上

Surface 3は、タブレット向けの最新CPUであるAtom x7-Z8700(1.6GHz-最大2.4GHz)を採用する。「Cherry Trail」の開発コード名で呼ばれていたものだ。モバイル向けのプロセッサーとしては初めて製造プロセスに14nmを採用することで、消費電力を引き下げつつ、性能も向上している。Atom搭載タブレットというと、パフォーマンス面を心配する人が多いはずだ。今回試したSurface 3の128GBモデルは、最新CPUとWindowsタブレットとしては大容量の4GBのメモリーを搭載しており、Atom搭載タブレットであることを感じさせないほど、軽快に動作した。特に「Office」ソフトの起動が高速で、体感ではあるが待ち時間がほとんどなかった。パソコンの総合的なパフォーマンスを測定するベンチマークソフト「PCMark 8」の結果は、「Home accelerated」が1612、「Work Conventional」が2167だった。

「Atom Z3745」(1.33-最大1.86GHz)と2GBのメモリーを搭載したレノボ・ジャパンの「YOGA Tablet 2 with Windows 1051F」と比較してみたが、動作の軽快さはSurface 3のほうが明らかに上だった。同モデルのPCMark 8のスコアはHome acceleratedが1056、Work Conventionalが1502だったので、スピードの違いがそのままスコアに現れた。

Surface 3の128GBモデルは、Windowsタブレットとしては珍しく、メモリーを4GB搭載していることもあり、Webブラウザーのタブを複数開いたり、アプリを複数立ち上げたりしても、動作に余裕が感じられた。動画編集やパソコンゲームなど、負荷の高い作業を楽しみたい人は、第4世代の「Core i3/i5/i7」を搭載したSurface Pro 3を選んだ方がいいだろうが、それ以外の用途であれば、Surface 3は十分なパフォーマンスを持っていると言える。

PCMark 8のホームユースで想定される使い方をした場合のパフォーマンスを測定するHome acceleratedのスコア

PCMark 8のホームユースで想定される使い方をした場合のパフォーマンスを測定するHome acceleratedのスコア

PCMark 8のビジネスシーンで利用した場合のパフォーマンスを測定するWork conventionalのスコア

PCMark 8のビジネスシーンで利用した場合のパフォーマンスを測定するWork conventionalのスコア

CPUのパフォーマンスを測定するベンチマークソフト「CINEBENCH R15」のスコア。「Core M」(1.1GHz-最大2.4GHz)を搭載するアップルの「MacBook」のスコアはOpenGLが18.30fps、CPUが193cb、CPU(Single Core)が57cbだったので、Core Mを搭載するモデルよりはCPUの性能は劣る

Surface 3の充電用端子は、専用端子ではなく、汎用的なmicroUSB端子だ。従来モデルでは、充電するのに専用のACアダプターが必要だったが、Surface 3ではスマホやタブレット用のACアダプターで充電ができる。付属のACアダプターを使うよりも時間はかかるが、スマホのACアダプターと共用すれば、外出時の荷物を減らせるので助かる。

付属のACアダプター(13W)はコンパクトで、いっしょに持ち歩いても荷物にならない。充電端子は汎用的なmicroUSB端子なので、スマホなどのACアダプターでも充電できる。重量はケーブル込みで118g

充電中はLEDが点灯するので、充電できているかが確認できる

充電中はLEDが点灯するので、充電できているかが確認できる

「Surface 3ドッキングステーション」も別売りで用意されている。横にコネクターがあり、装着しにくいと思いきや、意外と問題なくドッキングできた。拡張性が非常に高く、Surface 3をデスクトップパソコンのように使える。価格は25,574円(税込、マイクロソフトストアでの価格)

左側面にSurfaceペンをマグネットで付けられる仕組み。背面には、USB3.0端子×2、有線LANコネクター、Mini Display Port、セキュリティロックスロットを搭載。Surface 3の充電も可能だ

右側面にUSB3.0端子×2を搭載する

右側面にUSB3.0端子×2を搭載する

Surface Pro 3とどちらにするかが悩ましい

Surface Pro 3は“タブレットにもなるノートパソコン”だったが、Surface 3は“ノートパソコンにもなるタブレット”と言える。機動力抜群の絶妙なサイズ感、LTE対応、microUSB端子での充電など、外で使う端末としては非常に完成度が高い。気になったパフォーマンスも、ほかのWindowsタブレットよりもワンランク上だった。Atomのイメージを払しょくするほど快適に動作する。ビジネスで使う場合に必須の「Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス」が標準で付属している点もありがたい。日本限定のこのOfficeは、クラウドサービスは1年間しか使えないが、Excel、Word、PowerPoint、OneNote、Outlookは永続的に利用できる。しかも、メジャーバージョンアップがあっても無償でアップデートして使い続けられるお得なものだ。

Surface 3が気になっている人にとって、一番の悩みは価格だろう。64GBモデルとSurface 3 Type CoverとSurfaceペンをセットで購入すると111,732円(税込、価格.com最安価格で計算)で、11万円を超えてしまう。64GBモデルでも5万円台で購入できたSurface 2よりも高い。また、Surface Pro 3の64GBモデル(価格.com最安価格91,041円)とほぼ同じ価格なのも悩ましいところだ。使い方によってはSurface Pro 3を選んだほうが満足度は高いだろう。Surface 3のライバルはSurface Pro 3になるのかもしれない。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

製品 価格.com最安価格 備考
Surface 3 128GB MSSAA2 SIMフリー 90,000 10.8型液晶を搭載したLTE対応のタブレット
Surface 3 64GB MSSAA1 SIMフリー 79,980 10.8型液晶を搭載したLTE対応のタブレット
Surface 3 128GB ワイモバイル 99,144 10.8型液晶を搭載したLTE対応のタブレット
Surface 3 64GB ワイモバイル 88,344 10.8型液晶を搭載したLTE対応のタブレット
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2016.9.27 更新
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